5月の招福銘柄は、株価の出遅れ銘柄や政策支援銘柄を中心に選んだ。ハンセン指数が4月に7.4%上昇した一方、BYDエレクトロニック(
00285)の株価は7.8%安、舜宇光学科技(
02382)の株価は3.9%安と出遅れており、スマホ需要の復調を背景に見直し買いが期待される。このほか、中国当局が打ち出したIPO支援策が追い風になる香港証券取引所(
00388)、自動車買い替え促進策が刺激材料となる小米集団(
01810)にも着目。万洲国際(
00288)は業績の回復期待かも選んだ。今月はこの5銘柄に注目したい。
■BYDエレクトロニック(00285):4月に株価が7.8%下落、出遅れ銘柄として着目
株価:26.60HKドル(4/30終値)
【中国のスマホ部品・受託製造大手】4月に多くの銘柄の株価が持ち直すなか、出遅れ感の強い銘柄として底打ち反発を期待して選んだ。ハンセン指数が4月に月間で7.4%上昇した一方、同社の株価は7.8%下落。特に3月下旬の業績発表前後からの下落が目立つ。ただ、業績自体は大きく改善しており、23年12月本決算は21%増収、118%増益と好調。売上高は過去最高を更新した。中国政府が打ち出す消費刺激策を受けてエレクトロニクス製品の需要が高まれば、業績拡大の追い風になりそうだ。4月末に発表した1−3月期決算も33%増益と堅調で、株価上昇の支援材料になることが考えられる。
■万洲国際(00288):業績の回復期待から一段高に期待
株価:5.72HKドル(4/30終値)
【豚肉生産の世界最大手】業績の回復期待から株価の一段高に期待したい。同社の24年1−3月期決算は前年同期比8%の減収となったものの、純利益が2.4倍と収益力の回復が目立った。養豚を含む豚肉部門は赤字継続となったが、営業損失は1億7000万米ドルから2700万米ドルに大幅縮小した。会社側は、米国での養豚事業の苦境脱却に向け、昨年から大規模な合理化措置が奏功したとし、こうした措置の効果は引き続き業績を押し上げるとの見通しを示した。また、製品構成の最適化、販売ネットワークの拡大、コスト削減を通じて通期の業績成長を図るとしている。
■香港証券取引所(00388): 中国当局のIPO支援策が追い風
株価:251.60HKドル(4/30終値)
【香港証券取引所を運営】香港市場での新規株式公開(IPO)の増加を見込む買いが株価を押し上げそうだ。中国証券監督管理委員会(CSRC)は4月19日、国際金融センターとしての香港の地位を高める措置の一つとして、「中国本土の各業界の代表的な企業による香港上場を支援する」と発表した。中国の大型企業がIPOで上場すれば収益の回復につながるとの期待が高まるだろう。24年1−3月期の純利益は29億7000万HKドルと前年同期比12.9%減ったものの、市場予想の26億9200万HKドルを上回った。株価は4月中旬に5カ月ぶり安値圏に落ち込んだ後に上昇基調に転じており、買いを入れる好機とみる。
■小米集団(01810):EVの好調な販売や自動車買い替え促進策が追い風
株価:17.32HKドル(4/30終値)
【中国のスマートフォン大手】3月28日に発売された同社初の電気自動車(EV)、「SU7」の販売好調が追い風。5月4日まで開催中の北京モーターショーでは9色の「SU7」が展示され、大きな注目を集めている。中国商務部など7部門が自動車買い替え策の細則を発表したことも材料。23年12月本決算は純利益が7倍に拡大。金融資産の評価損益が35億100万元のプラスに転じたことが大幅増益の主因だが、特別要因を除く調整済み純利益も2.3倍の192億7300万元と好調。粗利益率は21.2%と4.2ポイント改善し、過去最高を記録している。
■舜宇光学科技(02382):スマホ需要の復調で部品需要増、見直し買いに期待
株価:38.40HKドル(4/30終値)
【中国の大手光学部品メーカー】スマートフォン需要の復調で、見直し買いが進むと予想する。調査会社の米IDCによると、24年1−3月のスマホ世界出荷台数は前年同期比7.8%増の2億8900万台。24年通年でも増加する見通しで、舜宇光学科技の主力製品であるカメラレンズセットや携帯端末用カメラモジュールの需要の拡大が見込まれる。実際、24年1−3月期の出荷数はカメラレンズセットが前年同期比38.3%増、カメラモジュールが45.5%増と伸びている。業績も最悪期を脱する見通しで、ファクトセットの市場コンセンサス予想では24年12月本決算の純利益は前年比73%増の19億300万元に上る。