◇長城汽車
◇Great Wall Motor Co.,Ltd.
◇H株:02333
◆ポイント
◇16年1月の新車販売数、主力のSUVが5.9%増の7万4200台と堅調、セダンは引き続き低迷
◇15年12月期速報値は売上高が前年比で22%増、新車販売の順調な増加を反映
◇純利益は2年連続でほぼ横ばい、採算性の改善が課題に
◆純利益は2年連続でほぼ横ばい、採算性の改善が課題に
長城汽車が発表した2016年1月の新車販売数は前年同月比2.8%増の9万600台だった。16年通年の目標販売数である前年実績比11.4%増の95万台を考慮すると、伸び率は物足りないが、辛うじて月次ベースで9万台の販売を確保した。ピックアップトラックが1.5%減の1万400台、セダンが19.7%減の6000台に縮小したが、主力のSUVが5.9%増の7万4200台に伸びている。車種別では売れ筋の「哈弗H6」が16.8%増の4万2200台、「哈弗H2」が13.6%増の1万7300台と好調。一方、セダンは「長城C50」が53.1%減の1300台に半減し、退潮傾向に歯止めがかかっていない。
新車販売は、中国政府が打ち出した自動車取得税の減税措置を受けて15年10月以降に盛り返し、前年同月比で2桁増を続けてきたが、ここに来て息切れしたもようだ。15年は通年の新車販売が前年比16.7%増の85万2700台に達しており、15年12月本決算の速報値(中国会計基準)では売上高が同21.5%増の760億3300万元と順調に伸びた。ただ、採算は悪化しており、営業利益は0.1%増の92億5700万元、純利益は0.02%減の80億4000万元と横ばいにとどまっている。
本決算ではこれで2年連続で純利益がほぼ横ばいとなり、売上高の順調な増加が生かされていない。中国の景気減速や競争激化などで事業環境が悪化する中、新車販売の伸びをどのように利益の底上げに結びつけるかが今後の課題になりそうだ。
◆会社概要
ピックアップ・SUV分野のトップメーカー。ピックアップトラック「風駿」やSUV「哈弗」、セダン「長城」など自主ブランド車を製造・販売。ピックアップの販売台数は1998年から17年連続で国内首位を維持。海外ではロシア、豪州、南アフリカなどに営業拠点を持ち、アフリカ、中東、アジア、欧州などの国・地域に輸出。2014年の輸出比率は5%。国内のほかエクアドル、ブルガリアなどに工場を持つ。上海と香港に重複上場。
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