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2016-10-20 中国/トピック/その他 印刷   Nikihou_Webをフォローしましょう
中国経済指標:GDP成長率は3期連続の6.7%、不動産リスクで17年以降に不透明感
 中国の国家統計局は19日、9月の主要経済統計を発表したが、GDPをはじめとする各種指標はほぼ市場の予想通りの数字となり、全般にサプライズに欠ける内容となった。注目の7−9月期の実質GDP成長率は前年同期比6.7%と、リーマンショック後の09年以来の低水準だったが、それでも3期連続で横ばいに推移。“L字型”を描く形で、一段の減速傾向に歯止めをかけた。公共インフラ投資の加速や不動産緩和、金融緩和など、これまでの一連の施策が功を奏した格好だ。続く10−12月期に関しても、これまでの景気てこ入れ効果から安定推移を見込む向きが優勢であり、16年通年の政府GDP成長目標「前年比6.5−7%」の達成はほぼ確実な情勢となった。

 ただ、過剰債務を背景に不動産市場のバブル化が進行する中、政府当局は金融政策をやや引き締め方向に調整しつつあり、地方政府も相次いで不動産過熱抑制策を導入している。年初から9月までの安定成長維持に大きく貢献したのは不動産投資の復調だが、政策的な風向きの変化を受けて再び流れが変わる可能性があり、6%台後半の経済成長ペースの維持は決して安泰とは言えない状況だ。『香港経済日報』によれば、中国国際経済交流中心の王軍研究員は16年の政府目標達成を確実視しながらも、17年の不確実性を指摘。不動産投資の減速の可能性や外部環境の不透明感を理由に「状況はさほど楽観できない」としている。



◆不動産投資の回復や自動車販売好調が安定成長に貢献

 19日にはGDPのほか、投資、消費などの主要指標が発表されたが、うち固定資産投資は1−9月に同8.2%増と、1−8月比の8.1%増から小幅に加速した。これは主に、住宅市況の活況を受け、不動産開発投資が1−8月の同5.4%増から同5.8%増に上向いたため。官民別では、年半ばから明らかに低迷している民間投資(同2.5%増)がやや上向きに転じたものの、引き続き国有投資(同21.1%増)との格差は極めて大きく、政府主導の投資底上げ効果が鮮明だった。

 このほか、鉱工業生産は市場予想を下回る前年同月比6.1%増にとどまったが、小売売上高は9月も同10.7%増と堅調を維持した。特に「小型車減税」の期間終了を年末に控え、自動車売り上げが好調(同13.1%増)。小売売上高全体に占める自動車の割合は9月に12.7%を記録している(1−9月では11.8%)。また、住宅販売の好調を受け、建材・内装材などの販売も好調。統計局によれば、1−9月のGDP成長に占める消費の寄与率は前年同期を13.3ポイント上回る71%に達したという(ほかに資本形成の寄与率は36.8%、純輸出の寄与率はマイナス7.8%)。



◆不動産引き締め効果が顕在化、この先の投資萎縮を懸念

 9月の経済統計は19日までにほぼ出揃ったが、これまでに発表された指標の中でサプライズとなったのは、◇54カ月連続で下落していたPPI(生産者物価指数)が9月にプラスに転じた(国家統計局が14日発表)、◇輸出入統計が予想以上に低迷した(税関総署が13日発表)、◇9月の人民元貸付残高増加額の予想以上に膨らんだ(中国人民銀行が18日発表)――など。うち朗報となったPPIのプラス転換については、余剰生産問題の是正を受けた一部商品価格の反転上昇や不動産価格の高騰が寄与したとみられている。一方、9月の人民元貸付増加額は予想を明らかに上回る1兆2200億元を記録したが、うち39%に当たる4759億元は不動産ローン。不動産部門の過剰債務をうかがわせる数字となった。

 ただ、新規融資は10月以降、前月比で下向く可能性が高い。中国政府が過剰債務、資産バブルの是正に向け、金融政策スタンスを緩和から「穏健」にシフトしたことやや、地方政府による不動産引き締めが理由だ。地方による不動産過熱対策は国慶節連休前後から加速し、すでに22都市が引き締めに動いた。これにより、10月に入ってから早くも新築住宅の売れ行きが後退したもよう。中原地産によれば、主要54都市における10月3−16日の成約件数は9月19日−10月2日比で34%減。中でも北京での成約が42%の落ち込みを示したという。

 興業銀行の魯政委チーフエコノミストは、地方政府が相次いで導入している「住宅購入制限措置」による影響が17年1−3月期に顕在化するとの見方。その後6カ月のタイムラグを経て、不動産投資が大きく落ち込む可能性を指摘している。中には「これまでの不動産高騰を受けた“資産効果”が消費にプラスに作用し、不動産市況の悪化によるマイナス影響をある程度相殺する」(中国国際金融)との楽観的な見方もあるが、中国経済は不動産投資に依存する部分が大きく、仮にこの先、本格的に住宅市況が冷え込めば、消費にも一定の影響が及ぶ可能性がある。政府当局は今後も積極財政策、穏健金融策を維持するとみられるが、その中で引き続き、「安定成長維持」と「資産バブル抑制」とのバランス取りという難しい政策運営を迫られそうだ。
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