To display this page you need a browser with JavaScript support. / このページを表示するには、Javascriptをサポートするブラウザーが必要です。
文字サイズ:大 文字サイズ:中 文字サイズ:小 印刷
2018-01-02 香港/政策/証券
H株上場企業「全流通」、最大3社で試行=CSRC
 中国証券監督管理委員会(CSRC)の常徳鵬報道官は12月29日開いた定例会見で、H株上場企業の非流通株を流通可能なH株に転換する「全流通」を試行する方針を明らかにした。企業の資金調達に占める直接金融の比率を高め、香港金融市場の安定と発展を図ることが目的とした。試行は漸進的に実施し、当初は対象企業を最大3社に限定する。国営新華社系ニュースサイト『新華網』が同日伝えた。

 「全流通」試行企業の先行基準は次の4項目となる見通し。 ◇外資投資資格、国有資産管理、国家安全保障、産業政策などの法律規定や政策上の要請を満たすこと。 ◇所属業界がイノベーション、協調、グリーン、開放、シェアなどの発展理念に合致しており、国家産業政策の発展方向と一致。実体経済に貢献し、「一帯一路」建設などの国家戦略を支持する代表的な優良企業であること。 ◇既存株の株式構成が比較的単純で、既存株時価総額が10億HKドル以上であること。 ◇企業ガバナンスと内部意思決定手続きが法規に準拠し、株主の知る権利と参加権、議決権を十分に保証できること。

 12月30日付『香港経済日報』は、こうした条件を満たす試行企業の有力候補として、衆安在線財産保険(06060)と聯想控股(03396)を挙げた。ゴールドマン・サックスの試算によれば、非流通の「内資株」の時価総額は計2兆5000億HKドルで、香港株時価総額の約8%に相当する規模。「全流通」が実施されれば、香港市場の出来高を押し上げる見通し。

 香港H株は中国本土登記の中国企業が香港に上場する株式。1993年7月に青島ビール(00168)が初のH株企業となった際、同社法人株と国有株は本土の監督規定によりH株ではなく、非流通株となった。以来この慣例にならい、香港でH株を公開する大半の企業の株式構成には、香港市場で取引されるH株とは別に非流通の内資株が含まれることになった。こうした内資株を流通市場で取引するには、現時点ではまず本土市場に上場し、A株に転換してロックアップ期間後に売却する方法しか方法がない。
無断転載禁ず
©2001−2024 DZH FINANCIAL RESEARCH, INC
close