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2016-01-26 中国/トピック/建材
中国の供給側改革:中央企業の統合通じ減産、建材に続き鉄鋼と石炭で実施か
 中国国有の建材大手、中国建築材料集団有限公司と中国中材集団有限公司が再編を協議していることが、傘下上場企業が25日に発表した公告で明らかになった。両社の統合により、セメントなどの供給過剰が緩和されると業界関係者は期待している。過剰な生産設備の解消は、中国指導部が今年の重要政策として掲げる「供給側改革」の一環だ。中央企業(中央政府が管轄する国有企業)である中国建築材料集団と中国中材集団が再編されれば、供給側改革と国有企業改革を一挙に進める措置となる。

 中央企業の統合は、傘下上場企業への資産注入や事業再編を伴うことから、株式市場で買いの材料となる。26日の上海市場は急落したものの、中国中材集団傘下の中材節能(603126)がストップ高を付け、寧夏建材集団(600449)が7%超上げた。次に再編に着手する中央企業がどこかについても、当然関心が高い。有力候補とされるのは、中国の李克強首相が減産実施の先兵と位置付ける鉄鋼業界と石炭業界の企業だ。

◆李首相が生産能力の削減を推進、企業合併で失業リスク抑制

 李首相は4日に鉄鋼と石炭の生産削減に関する会合を山西省太原市で開き、総量を制限する「シーリング」を導入する考えを示した。また、過剰な生産能力の解消に向けてあらゆる政策手段を用いると表明。不良資産処理を加速し、違法操業企業や「ゾンビ企業」に対する融資の打ち切りに踏み切ると表明した。

 ただ、市場原理に基づく企業の優勝劣敗を徹底すれば、劣後企業から大量の失職者が発生しかねない。国務院が22日開いた常務会議では、鉄鋼業界と石炭業界の過剰な生産能力を解消する措置を確定する一方、企業の自主的撤退を促す手法として、M&A(買収・合併)や業態転換を活用するよう指示した。中央企業の統合を通じて供給過剰を解消する手法は、海運業界で先例がある。中国遠洋運輸(集団)総公司と中国海運(集団)総公司の統合が昨年12月に発表され、すでに資産交換や登記などの手続きが進行中だ。

 鉄鋼業界の中央企業には、鞍山鋼鉄集団公司、宝鋼集団有限公司、武漢鋼鉄(集団)公司がある。香港上場のアンガン・スチール(00347)は鞍山鋼鉄集団の子会社だ。宝鋼集団と武漢鋼鉄(集団)もそれぞれ宝山鋼鉄(600019)、武漢鋼鉄(600005)を上海市場に上場している。一方、中国の石炭業界では中央企業の神華集団有限責任公司と中国中煤能源集団公司が2大大手。それぞれ傘下に香港上場の中国神華能源(01088)、中国中煤能源(01898)を抱える。

 このほか、昨年12月には鉱業大手の中国五鉱集団公司がプラント建設の中国冶金科工集団有限公司を子会社化し、国有運輸会社の招商局集団有限公司が同業の中国外運長航集団有限公司を子会社化する中中央企業同士の再編が明らかになった。今年に入って、発電設備大手の中国第一重型機械集団公司(一重集団)と哈爾濱電気集団公司(哈電集団)が統合再編に向けて協議中との観測が浮上。ただ、一重集団傘下の中国第一重型機械(601106)と哈電集団傘下のハルビン電気(01133)は13日、合併観測を否定する公告を発表した。さらに、チャイナ・テレコム(00728)親会社の中国電信集団公司とチャイナ・ユニコム(00762)親会社の中国聨合網絡通信集団有限公司が合併し、チャイナ・モバイル(00941)と対抗するとの観測が市場でたびたび浮上している。

◆中国建築材料集団と中国中材集団が再編、市場はセメント減産に期待

 業界関係者は、事業が重複する中国建築材料集団と中国中材集団が「強強連合」を組むことで、セメントやガラスなど幅広い品目で過当競争が緩和されると期待している。中国建築材料集団がセメントやガラス、軽質建材、ガラス繊維などの建築材料に強みを持つ一方、中国中材集団は非鉄金属の材料製造や材料技術設備・エンジニアリング、非鉄金属鉱業を得意としており、事業分野で補い合う関係にあることも好感されている。

 中国建築材料集団は1984年に設立され、2003年に中央企業となった。中国建材業界の最大手であり、傘下に洛陽ガラス(01108)や中国建材(03323)、中国巨石(600176)、安徽方興科技(600552)、中国ガラス(03300)などの上場企業に出資している。一方、中国中材集団は1983年に設立され、2003年に中央企業となった。非鉄金属材料の核心技術と系列事業を抱えており、傘下上場企業として中材節能、寧夏建材集団のほか、中国中材(01893)、中国中材国際工程(600970)、甘粛祁連山水泥集団(600720)などがある。

 過剰な生産能力の解消は、中国指導部がこれまで何度も号令をかけてきたものの、遅々として進まない政策課題だ。淘汰を迫られる企業自身だけでなく、地方政府や関連当局の抵抗が強い上、指導部も失業率の上昇が政権への不満につながるリスクを軽視できないようだ。ただ、中国経済の成長率が鈍化するなか、供給過剰問題の解決を先延ばしする余裕は失われつつある。中央企業の合併により、トップダウンで供給過剰の業界を再編する試みの成果が注目される。

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