2024-04-12 |
中国/業界動向/不動産 |
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中国の不動産「ホワイトリスト」、買い手の信頼感回復が狙い=S&P
米格付け会社S&Pグローバルは最新リポートで、中国当局が融資に適した不動産開発プロジェクトを列挙した「ホワイトリスト」を商業銀行に提示する措置を推進していることについて、物件の引き渡しを巡る不確実性を低減し、買い手の信頼感を取り戻すのが目的だと指摘した。ただ、不動産デベロッパーの苦境脱却には効果が限定的だと分析。中国本土で新築物件は予約販売が中心となっているため、不確実性を巡る懸念が引き続き不動産市場に悪影響を及ぼすとの見方を示した。『AAストックス』が12日伝えた。
S&Pは、2月末時点で全国31省・直轄市・自治区の276都市で「ホワイトリスト」措置を導入したことに言及。ただ、「ホワイトリスト」に収載されたプロジェクトが融資を返済できなかった場合、政府と銀行がいかに責任を負担するかを含め、細則は引き続き具体化に向けて検討している段階だとした。
また、本土不動産市場は依然として底を探る段階にあり、「L」型の展開が続くと予想。市場の供給過剰と地方都市の需要の低迷を背景に、不動産販売額はさらに減少するとの見方を示した。過去数カ月に再編の成功例もあったものの、市場はまだ回復しておらず、2022年に債務の返済期間を延長した企業は再び債務の再編リスクに直面する可能性があるとした。