11日の香港市場は前日の米株高の流れを引き継ぎ買い優勢で始まるか。10日の米NY株式相場は主要3指数がそろって上昇し、取引時間中の過去最高値を更新。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が下院金融サービス委員会で米国経済などの不確実性を理由に緩和的な金融政策見通しを示したことが好感された。米中通商問題を巡っては、9日夜に閣僚級の電話協議が開催。前日に続き、摩擦の激化が回避されるとの期待が相場を支えるだろう。
もっとも、買い一巡後は上値が重くなるか。中国では来週初めにかけて、6月の貿易や金融統計、4−6月期国内総生産(GDP)などが発表される。景気減速が意識されるなかで、積極的な買いが入りづらい状況が続くだろう。また、本土市場では前日に上海総合指数が3週間ぶりの安値圏まで下落。今週に入って軟調な展開が続いていることも気がかりだ。
なお、10日の香港株の米国預託証券(ADR)は、アジア生保のAIAグループ(
01299)、中国石油メジャーのCNOOC(
00883)、欧州金融大手のHSBC(
00005)などが香港終値を上回った半面、IT大手のテンセント(
00700)が下回って引けた。香港株のADRにサヤ寄せすれば、ハンセン指数は前日終値を90ポイント近く上回る水準で寄り付くことになる。