モルガン・スタンレーは最新リポートで、テンセント(
00700)が保有する美団(
03690)の株式計9億5800万株を現物配当で自社株主に分配すると発表したことについて、短期的には美団に対する市場マインドを悪化させる可能性があるとの見方を示した。ただ、同時に美団を巡る懸念材料が解消すると指摘した。『AAストックス』が17日伝えた。
テンセントが22年12月にJDドットコムの株式を現物配当として自社株主に分配すると発表した直後は株価が下がったものの、その後は指数をアウトパフォームした。モルスタは、JDドットコムのケースと同様に、テンセントの現物配当で短期的には美団の株価に下押し圧力がかかる可能性があると指摘。ただ、JDドットコムより影響は限定的になると予想した。
理由として、◇カバレッジ対象の大多数の銘柄に比べ、美団のファンダメンタルズが強い、◇配当としてJDドットコムの米国預託証券(ADS)を受け取った投資家は支払日(22年3月25日)から40日間のロックアップ期間が設けられたが、美団にはこういう規制はない、◇テンセントの経営陣によれば、テンセントと美団の株式を同時に保有している機関投資家が多いため、機関投資家による美団の株式の長期保有が期待できる――ことを挙げた。
また、美団の長期的なファンダメンタルズが変わる可能性が低く、中国本土で新型コロナウイルスの防疫措置の緩和に伴い、23年の事業成長が再び加速するとの見方を示した。テンセントによる美団株の売却を巡る懸念が解消し、今回の発表は買いのチャンスになると指摘。美団の投資判断を「オーバーウエート」、目標株価を180HKドルに据え置いた。
日本時間午後3時36分現在、関連銘柄の値動きは次の通り。
■美団(
03690):150.40HKドル(前日比7.33%安)
■テンセント(
00700):293.40HKドル(同0.34%安)