◇テンセント
◇Tencent Holdings Ltd.
◇ハンセン:00700
◆ポイント
◇サーバー・回線やコンテンツのコストが増大、売上原価は8%増
◇投資先企業の損益などを除く調整済み利益、23%減の255億4500万元
◇ゲーム部門は未成年者規制が重し、フィンテック・事業サービスは増収増益
◆ゲーム部門は未成年者規制が重し、フィンテック・事業サービスは増収増益
テンセントが発表した2022年1−3月期決算は売上高が前年同期比0.1%増の1354億7100万元、純利益が同51.0%減の234億1300万元となった。売上高がほぼ横ばいにとどまる中、サーバーや回線、コンテンツのコストが膨らみ、売上原価が7.9%増の783億9700万元に拡大して採算が悪化。一般管理費が40.6%増の266億6900万元、金融費用が41.6%増の19億3500万元とかさんだ上、その他収益が32.7%減の131億3300万元に縮小し、営業利益は33.9%減の372億1700万元にとどまった。関連会社損益が62億8000万元の赤字に転落(前年同期は13億4800万元の黒字)したことも響き、利幅が縮んだ。株式報酬費用や投資先企業の損益、減損引当金などを除く非GAAP(米国会計基準)の調整済み利益は22.9%減の255億4500万元となる。
事業別では付加価値サービス(VAS)の売上高が0.4%増の727億3800万元、粗利益が8.1%減の366億8300万元。特にゲーム事業では中国当局の規制を受けて未成年者の利用制限を強化したことで、利用者数や課金に影響が出た。フィンテック・事業サービスは売上高が9.6%増の427億6800万元、粗利益が7.2%増の134億9900万元。3月に新型コロナが再流行した影響でオンライン決済数が伸び悩み、採算割れのクラウド契約の見直しも短期的には痛手となった。オンライン広告は売上高が17.6%減の179億8800万元、粗利益が32.9%減の65億9400万元と2桁の減収減益。規制強化と需要減で教育やネット通販などのセクターからの広告出稿が低迷した。
◆会社概要
中国のインターネットサービス大手。対話アプリ「微信(WeChat)」やポータルサイト「QQ.com」を基盤にゲームやスマホ決済、動画配信などを手掛ける。オンラインゲームの配信で世界最大手。21年12月の月間利用者は微信が12億6800万人、インスタントメッセンジャーの「QQ」モバイルデバイス版が5億5200万人、有料付加価値サービス(VAS)登録者は2億3600万人。出資先は1200社以上で、このうち閲文集団(
00772)など約100社が上場。
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